問いと答え10 ・同朋会運動・同朋の会ってなに?

住職法話>問いと答え>第10回 同朋会運動・同朋の会ってなに?

真宗大谷派では、同朋会運動(どうぼうかいうんどう)というものに力を入れておられるようですが、「同朋の会(どうぼうのかい)」とは何ですか。

答え:

大切なご質問です。まずはこちらをお読みください。

真宗大谷派では、昭和36年に宗祖親鸞聖人の700回御遠忌をお迎えしたことを勝縁として、翌昭和37年に「同朋会運動(どうぼうかいうんどう)」を発足し、宗門を挙げての運動として取り組んでまいりました。

これは、今までの宗門の現状を顧みるならば、真宗門徒といっても名ばかりであって、親鸞聖人の真のご門徒といえる人は一人もいないのではないかという厳しい反省に立って、この御遠忌を勝縁として一人ひとりが襟を正して聖人の教えに聞いてゆかねばならない、そのことによって門徒が真実の信心に目覚めた真の門徒となり、お寺が聞法の道場としての真のお寺となっていこうという願いに立ち上がった純粋な信仰回復運動であります。

「同朋(どうぼう)」とは、お念仏の信心に目覚める者は、みんな仏様のもとに「御同朋(おんどうぼう=友だち)」であり、「御同行(おんどうぎょう=歩みを同じくする者)」であるという意味であります。

親鸞聖人は、「親鸞は弟子一人(いちにん)も持たず候」と言われ、人を教化して救うのではなく、私たちを「御同朋」と呼んで慈しまれ、「御同行」として共に救われてゆく道を歩んで下さった方であります。

このような聖人の願いと呼びかけに応えて、私たち真宗門徒は今こそ聖人の御同朋、御同行になってゆかねばなりません。

家は代々の真宗門徒であっても、親鸞聖人の教えを正しく知らないばかりか、聖人の教えとはかけ離れた誤った了解に止まっているのが私たちの現状であります。この様な宗門の現状の悲歎から、私たち一人ひとりが親鸞聖人の精神に帰ろうという歩みが始まったのが同朋会運動なのです。

この運動の具体化は、各お寺に親鸞聖人の教えを聞く場を持とうということであり、それが「同朋の会」であります。この会は、今までの法話会の様に一方的に講師の話を聞くだけでなく、聞いた話をもう一度参加者どうしが話し合い、自分の生活を通して確認し合う「座談会」が持たれます。参加者自身がお互いの疑問を出し合い、了解したことや体験を語り合うことを通して、共に学ぶ同朋の交わりを深めていくのです。講師や住職が話をされる場合でも、共に教えに聞くことが基本であります。

この様な会を重なることにより、世間での肩書きを一切はずして、一個の人間として教えのもとに共に聞き語りあい、「生まれた意義と生きる喜び」を見つけようということが、「同朋の会」の願いであります。/end

大阪教区教化センター発行「教化センター通信」より・2010年09月翫湖堂所収

■住職追記■

執筆中

以前、ブログに掲載したものを転載しております。